毛沢東 最後の革命 下
書評掲載情報
2011-02-06 日本経済新聞
紹介
<毛沢東と周恩来の関係は実際にはどのようなものであったのか>
― 天児慧(早稲田大学教授)
もう一つの極めて興味深かった点は周恩来というアクターの行動とその評価である。従来の文革に関わるいくつかの研究書では、毛沢東の暴走に対して、一見忠誠をつくしながら実質的には巧みに老幹部や優秀な幹部、さらには貴重な史跡などを保護し文革の被害を最小限に食い止めようと努力したのが周恩来といった見方がなされてきた。
しかし本書では「毛沢東と周恩来を、(中略)一人が間違っており、もう一人が正しいという風に切り離すことはできない」と従来の見方を一掃している。「毛は周が自分に絶対に服従するという確信を持ってか、毛自身のかなり重大な本音を幾つかの重要な段階で語っている」ことを紹介している。
周の文革における毛への忠誠ぶりは、逆に言うなら自分の生き残りのためには、これまで考え方や方法がかなり近かった彭真、鄧小平、劉少奇らをも守らなかったという態度に表れている。
目次
14 紅衛兵の最期
15 階級隊列の純潔化
16 劉少奇の最終処理
17 勝者たちの党大会
18 戦争の影
19 林彪の逃亡と死
20 毛沢東、静まりかえる
21 追いつめられる周恩来
22 鄧小平、登板
23 「四人組」登場
24 一九七六年の天安門事件
25 毛主席 最後の日々
結語 中国現代史の分水嶺
ロデリック・マクファーカー(著) マイケル・シェーンハルス(著) 朝倉和子(訳)
発行:青灯社
四六判 439ページ 並製
定価 3,800 円+税 4,180 円(税込)
ISBN 978-4-86228-046-6
ISBN 13 9784862280466
ISBN 10h 4-86228-046-3
ISBN 10 4862280463
出版者記号 86228
Cコード C1031
1:教養 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
書店発売日2010年12月22日

