毛沢東 最後の革命 上

書評掲載情報
2011-02-06    日本経済新聞


紹介
<文化大革命の実態解明の「決定版」ともいえるほどの質>
                          ― 天児慧(早稲田大学教授)
「プロレタリア文化大革命」、それは中華人民共和国史の中で最も熾烈で、凄惨な政治闘争であり、
世界人類史上でもまれな残酷で悲劇的な政治事件であったが、これまで多くの謎を含み、評価を含
めて極めて論争的なテーマであり続けた。
こうした中で本書の最大の特徴は、まず膨大な資料を駆使し、文革の経緯を実に丁寧に再構成し、
従来不鮮明であった部分をもかなり明確に描き出していることである。そして、そのことによって
開始からはや40年以上も過ぎ、「遠い昔の出来事」になりつつある、あの文化大革命が見事にリア
リティを保ちながら再現されているのである。
文化大革命の実態解明の「決定版」ともいえるほどの質を持っている。


目次
序章 毛沢東はなぜ文革を始めたのか
1 最初の砲火
2 北京包囲
3 キャンパスの混乱
4 工作組の五十日
5 毛沢東の新しい後継者
6 紅衛兵
7 赤色テロ
8 混乱、全国に広がる
9 上海「一月風暴」
10 奪権
11 老将たちの最後のふんばり
12 武漢事件
13 五・一六陰謀


著者プロフィール
ロデリック・マクファーカー  (著)
現在、ハーバード大学教授、ハーバード大学J・K・フェアバンク・センター前所長。中国現代史専攻。1930年生まれ、ジャーナリスト、英国下院議員(労働党)を経る。
著書 The Origins of the Cultural Revolution(全3巻)ほか多数

マイケル・シェーンハルス  (著)
現在、ルンド大学教授(スウェーデン)中国現代史専攻。1953年生まれ、
ブリティッシュ・コロンビア大学客員教授等を経る。
著書 Talk about Revolution:Red guards,Government Cadres and the Language of Political Discourseほか

朝倉和子  (アサクラ カズコ)  (訳)
ピアニスト、翻訳家(SWET会員)。訳書にブラッドレー・マーティン『北朝鮮「偉大な愛」の幻』(青灯社2007、2007年アジア・太平洋賞特別賞受賞)。
訳書 チャールズ・ローゼン『ピアノ・ノート』(みすず書房2009)。片栁和子として、ティモシー・モー『香港の起源2』(みすず書房2001)、リン・パン『華人の歴史』(みすず書房1995)など


ロデリック・マクファーカー(著) マイケル・シェーンハルス(著) 朝倉和子(訳)
発行:青灯社 
四六判  404ページ 並製

定価 3,800 円+税   4,180 円(税込)


ISBN 978-4-86228-045-9
ISBN 13 9784862280459
ISBN 10h 4-86228-045-5
ISBN 10 4862280455
出版者記号 86228

Cコード C1031  
1:教養 0:単行本 31:政治-含む国防軍事


書店発売日2010年11月25日

毛沢東 最後の革命 上