ハイデガー すべてのものに贈られること:存在論

紹介
存在の頼りなさ
ハイデガーが言うように薔薇の花は、その理由とも証拠とも無関係に咲いている。それどころか、われわれ自身の存在にもまた理由や証拠は必要ない。それでは存在とはいったいどういうことなのか、それを明らかにしようとしたのがハイデガーの生涯だった。


目次
存在の頼りなさーーまえがき
第一章 存在への問い
 1 伝統的ヨーロッパ哲学における「本質」と「存在」
  (1) 「本質」「偶有性」 
  (2)「存在」
 2 ハイデガーの問い
  (1) 「ある」とはどういうことか 
  (2) 「存在の意味」への問い
第二章 非本来性:日常において見失われる自分
 1 「現存在」
  (1) 「道具連関」
  (2) 「世界」
  (3) デカルト主義の大略 
  (4) ハイデガーのデカルト批判
 2 「世界-内-存在」のあり方
  (1) 道具連関の最終目的 
  (2) 「ひと」:現存在の交換可能性
第三章 本来性:自分の完全なあり方
 1 現存在の「かけがえのなさ」
  (1) 現存在の交換不可能性 
  (2) 死へ向かう存在
  (3) 現存在の全体性 
(4) 死の忘却
(5) 死の忘却メカニズム 
(6) 死をめぐるヨーロッパ哲学
 2 現存在の本来性
  (1) 日常からの脱却:良心 
(2)現存在の時間:非本来性
(3) 本来性における過去:被投性 
(4) 現存在の将来:企投性 
(5) 現存在の現在 
(6) キルケゴールの実存思想 
(7) 無をまえにした不安
3 実存主義と存在への問い
(1) サルトルの実存主義 
(2) サルトルとハイデガー
第四章 転回以後:存在の隠蔽
1 物、道具、芸術作品
(1) 認識活動と物 
(2) デカルト批判再び
(3) 芸術作品へ 
(4) 世界と大地
(5) 開示・現前と隠蔽・非現前の相互貫通 
(6) 存在の真理
2 存在に聴き従うこと
(1) デカルトと人間中心主義 
(2) 存在の贈与
(3) おわりに
あとがき


著者プロフィール
貫 成人  (ヌキシゲト)  (著)
現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。


貫 成人(著)
発行:青灯社 
B6判  135ページ 上製

定価 1,000 円+税   1,100 円(税込)


ISBN 978-4-86228-018-3
ISBN 13 9784862280183
ISBN 10h 4-86228-018-8
ISBN 10 4862280188
出版者記号 86228

Cコード C1010  
1:教養 0:単行本 10:哲学


書店発売日2007年11月26日

ハイデガー すべてのものに贈られること:存在論