16歳からの<こころ>学

紹介
<「あなた」との出会いの失敗とは>
<大人になる>とはどういうことか。「わたし」や「世界」はどのようにして確立されるのか。
人は最初の「あなた」である母親から十分なまなざしを受けられないと、またそれを受けていても
精神的な別離がないと、青年期に至って、第二の「あなた」である異性に出会えない。そして「世界」
や「わたし」を自身のなかに確立できない。
「あなた」との出会いの失敗は、こころの「解離」やリストカットなどさまざまな問題を引き起こす。


目次
はじめに
Ⅰ <こころ>の基本構造
第一章<こころ>の成立――『春と修羅』と『よだかの星』
<こころ>の発生(1)  <こころ>の発生(2)
<こころ>の発生(3)  <わたし>の誕生(1)
<わたし>の誕生(2)  もう一つの<わたし>の誕生(1)
もう一つの<わたし>の誕生(2)  第一章のまとめとキーワード

第二章<こころ>の消滅――『蠅の王』と『リンゴの木』
<こころ>の死(1)  <こころ>の死(2)
<世界>からもたらされる死と<わたし>  類と個
もう一つの<こころ>の死(1)  もう一つの<こころ>の死(2)
第二章のまとめとキーワード

Ⅱ <こころ>の展開

第三章 幼年期・少年期・青年期の<こころ>――『思い出』と『人間失格』
<あなた>からのまなざし  最初の<あなた>の周辺
アイデンティティの第一段階から第二段階へ  アイデンティティの第三・第四段階
アイデンティティの第五段階  アイデンティティの混乱(1)
アイデンティティの混乱(2)  アイデンティティの行方(1)
アイデンティティの行方(2)  第三章のまとめとキーワード

第四章 結婚期・育児期・中年期の<こころ>――『卒業Part2』
青年期からの離陸  結婚期から育児期へ(1)
結婚期から育児期へ(2)  アイデンティティの第六段階から第七段階へ
アイデンティティの第八段階  第四章のまとめとキーワード

第五章 老年期の<こころ>――『ワイマルのロッテ』
アイデンティティの第九段階  ゲーテの別れ
ロッテの別れ(1)  ロッテの別れ(2)
青年期の発見と老年期の発見  第五章のまとめとキーワード

第Ⅲ部 <こころ>のゆらぎ

第六章 <あなた>のゆらぎ――『賭博者』と『カラマーゾフの兄弟』


版元から一言
児童精神医学の第一人者によるこころからのメッセージ。「あなた」と「わたし」と「世界」をキーワードに、
今日だれもが困難になりつつあるアイデンティティの確立を読者とともに考える、共感と目覚めの一冊。
こころに深く残る一冊。


著者プロフィール
高岡 健  (タカオカ ケン)  (著)
高岡 健(たかおか・けん) 1953年生れ。
精神科医。岐阜大学医学部准教授。
著書『自閉症論の原点』『やさしいうつ病論』(以上、雲母書房)『やさしい発達障害論』(批評社)
『ひきこもりを恐れず』『こころ「真」論』(宮台真司らとの共著)『時代病』(吉本隆明との共著、
以上ウェイツ)ほか


高岡 健(著)
発行:青灯社 
四六判  202ページ 並製

定価 1,600 円+税   1,760 円(税込)

ISBN 978-4-86228-035-0
ISBN 13 9784862280350
ISBN 10h 4-86228-035-8
ISBN 10 4862280358
出版者記号 86228

Cコード C0011  
0:一般 0:単行本 11:心理(学)

書店発売日2009年10月28日

16歳からの<こころ>学