我感ずる、ゆえに我あり 内受容感覚の神経解剖学

紹介
卓越した脳科学者が、時間の知覚、快ー不快などの神経基盤を解明。
感覚中心の新しい人間像を提唱する、待望の書!

・「内受容感覚」とは?
 内臓から皮膚まで、あらゆる体の感覚が、前脳部につながる経路を通って伝わる機能。
 意思決定と行動を導く人間の「感情」。その鍵は「内受容感覚信号」と、「内受容感覚自覚」にあり。
・デカルトの『我思う、ゆえに我あり』はもはや正しくない!?
 認知・言語能力以前に、感覚こそがリアルな「自己」の理解に繋がることを本書は明らかにする。

「本書は卓越した研究者が、自らの長年の研究成果に基づき、大胆で精緻な思考によって新たな人間像を提唱したものであり、今後長きにわたって読まれる価値があるものだと確信する」(大平英樹「監修者解説」より)


目次
第一章 内受容感覚とは何か
第二章 体内感覚を感情と見なしてみる
第三章 内受容感覚ルートの起源
第四章 内受容感覚と恒常性維持
第五章 島皮質につながる内受容感覚ルート
第六章 体内感覚は島皮質で生起する
第七章 思考、時間、自分自身に関わる感覚
第八章 脳の左右両側の感覚と感情
第九章 感覚をめぐるさらなる二、三の思索
監修者解説(大平英樹)


前書きなど
 人間の感覚は何に由来し、そして何を意味するのだろう。本書はこの疑問に対し、神経科学のここ数年の研究成果をもとに新たな見取り図を提示するものである。この本を読めば、皆さんが自分の感覚により親しめたり、気持ちをコントロールできたりするわけではないが、本書に書かれた知見により、気づきが得られ、それが役に立つこともあるだろう。
(「はじめに」より)


著者プロフィール
A・D・(バド) クレイグ  (クレイグ アーサー デウィット)  (著)
Arthur DeWitt "Bud" Craig
1951年ミシガン州生まれ。バロー神経学研究所の神経機能解剖学者。アリゾナ大学医学部細胞分子医学科客員教授。1978年、コーネル大学にて神経生物学の博士号取得。1986年、バロー神経学研究所にて自身の研究室を立ち上げる。

花本 知子  (ハナモト トモコ)  (訳)
1978年広島県生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程終了。京都外国語大学イタリア語学科准教授。著書『アントニオ・タブッキ 反復の詩学』(春風社)等、訳書にマルチェッロ・マッスィミーニ、ジュリオ・トノーニ著『意識はいつ生まれるのか』(亜紀書房)ほか

大平 英樹  (オオヒラ ヒデキ)  (監修)
名古屋大学大学院情報学研究科教授。1990年、東京大学大学院社会学研究科修了。博士(医学)。専門は生理心理学、認知科学、精神神経内分泌免疫学。編著『感情心理学・入門』(有斐閣)ほか


A・D・(バド) クレイグ(著) 花本 知子(訳) 大平 英樹(監修)
発行:青灯社 
四六判  上製

価格 4,500 円+税   4,950 円(税込)


ISBN 978-4-86228-122-7
ISBN 13 9784862281227
ISBN 10h 4-86228-122-2
ISBN 10 4862281222
出版者記号 86228

Cコード C1045  
1:教養 0:単行本 45:生物学


書店発売日2022年6月30日

我感ずる、ゆえに我あり 内受容感覚の神経解剖学