中井正一再考 集団/身体/言語活動

紹介
多彩な対象に美を見出す稀有なる美学者。
代表作「委員会の論理」にいたるその思想を再構成する。

【中井正一】とは?
◆ 反ファシズムをとなえ、戦前戦後の進歩的文化人を中心に広く影響をのこす。
◇ 機械、映画、スポーツや言語活動等、あらゆるものを美的観点から論じた。
◆ 主観の解体と集団的知覚など、現代のメディア論にも通じるテーマを展開。
◇ 代表作『委員会の論理』(1936)は「メディア学の古典」として読み継がれる。

著者は日本とフランスでメディア・コミュニケーション論を研究。
その26年間にわたる研究の記録から再構成された、中井正一論の集大成の書。


目次
第一章 中井正一再考──集団的思惟の機構について
第二章 中井正一における集団的コミュニケーションの観念
第三章 集団/身体/言語活動
第四章 中井正一の言語活動論をいかに読むか
第五章 中井正一と概念の問題
第六章 中井正一における〈性格〉論の諸相
第七章 集団的思考と危機──三○年代の中井正一と分裂するディア・ロゴス


前書きなど
 中井は美学者を自認していたが、しかし特異な美学者であった。既存の芸術観が芸術と機械を対立させていたのに対し、中井は機械のもつ美を論じてみせた。そして映画の価値が今日のようには確立されてはおらず、ようやく芸術として認知されつつあった時代、彼は色彩映画の実験に関わり、映画を積極的に論じている。中井はまた、スポーツや探偵小説、さらには新聞も美的観点から論じている。極めて多彩な彼の研究で共通するのは、芸術から逸脱するものを排除せず、むしろそれらを挺子にして独自の美学を模索する姿勢である。
(第一章より)


著者プロフィール
門部昌志  (モンベ マサシ)  (著)
1968年生まれ。1999年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程社会学専攻単位取得満期退学。1999年、県立長崎シーボルト大学国際情報学部情報メディア学科専任講師。2002年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程にて学位取得(人間科学博士)。2003年10月から2004年3月までグルノーブル第三大学メディア・コミュニケーション研究所にポスト・ドクターとして滞在。現在、長崎県立大学シーボルト校国際社会学部国際社会学科准教授。論文に、「マス・コミュニケーション研究における「収斂」の問題──モーレイの理論をめぐって」『ソシオロジ』42(3)などがある。


門部昌志(著)
発行:青灯社 
四六判  246ページ 上製

価格 2,700 円+税   2,970 円(税込)


ISBN 978-4-86228-132-6
ISBN 13 9784862281326
ISBN 10h 4-86228-132-X
ISBN 10 486228132X
出版者記号 86228

Cコード C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学


書店発売日2024年9月20日

中井正一再考 集団/身体/言語活動