著者:堀井智帆
ISBN:978-4-86228-121-0 C0011 276ページ
ジャンル:[心理・福祉]
発売日:2022年6月30日
紹介
NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場し大反響!
福岡県警少年サポートセンターで21年間2000人に関わった、非行少年と親たちへの支援の記録。
虐待による愛情飢餓、非行に走った子どもの立ち直りを、長い時間をかけて母親代わりに見届ける。
・兄は祖父に殴り殺され、母は薬物依存に──万引き常習少年との出会いと成長。
・7人の父親を持ち、母にラブホテルにまで付き合わされた孤独な少女。
無断外泊や大暴れの日々から、自身が母親になるまでの長い交流。
・父親からの性暴力を告白した少女の、「生きる」決意と支援者としての活動。
・両親が逮捕され、社会に拠り所を失った少年をどう救うか。「信用できる大人」とは?
・子どもの非行防止に、親が心がけるべきこと=「親子の愛情形成」のアドバイス。
目次
1 異色の職場に辿りつくまで
2 小学生の無免許バイク登校
3 あの日の出来事の記憶
4 7人の父を持つ少女——連鎖を食い止めろ
5 性虐待を受けていた女の子——這ってでも生きる
6 引きこもり少年の家庭内暴力
7 「重大事件加害者の息子」として
8 ネグレクト家庭でのトラウマ
9 初回面接——親の「愛着」と夫婦の家事分担
10 問題行動に隠されたメッセージ
11 我が子を非行に走らせないために
12 おわりに——ただただ寄り添う
著者プロフィール
堀井智帆(ほりい・ちほ)
1977年、横浜市に生まれる。
西南女学院大学福祉学科卒業。児童養護施設勤務をへて、福岡県警察本部北九州少年サポートセンター勤務。
少年非行の根っこに寄り添い、その背後にある虐待の問題に取りくむ。
2020年10月、NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演、大きな反響をよぶ。
2022年、同センターを退職。現在はフリーの立場で子ども相談、講演活動などを行う。
「はじめに」より
私は、福祉職としては「警察」というとても異色の職場で、長年、少年相談支援に携わってきました。
職場が異色なら関わる相手も異色で、いわゆる非行や引きこもりなど、何かしらの問題行動を抱えた子どもたちです。異色の職場で異色の子どもたちとの日々は、とてもエキサイティングでスリリングなものでした。
(中略)
そんな波乱万丈で決して楽とは言えない日々の中で、私がこの仕事を続けることができたのは、たくさんの子どもたちや親たちの心の奥深くに閉ざされたものに触れ、彼らとの間に並々ならぬ絆が生まれたからです。私たちの見ている世界は、なかなか世にでることのない思いや体験の数々です。今回、この本を出版するにあたり私が一番お伝えしたいことは、私が関わってきた子どもたちや親の声です。