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Seitosha Publishing

2021年12月のエントリー 一覧

著者:天児 慧9784862281180.jpg
ISBN:978-4-86228-118-0 C0031
定価1800円+税 272ページ
ジャンル:[政治・国際関係]
発売日:2021年10月25日


紹介
中国はこの先、どこへ向かうのか
中国の本質が初めて分かる! 権威主義体制の背景

・ 国内の言論抑圧、南・東シナ海への海洋進出、香港市民やウィグル・チベット民族弾圧──。
 中国にはなぜ、民主主義の芽が育たないのか。西欧と中国の「民主」観の違いをさぐる。
・民衆を政治の主体とする欧米に対し、民衆は優れた指導者に導かれるべきとする中国。
 儒教思想や「天下論」など、統治ヒエラルキーを支える独特の伝統的思想を解説。
・「イニシアティブ」(主導性)に対する強いこだわりと、大国としての「型」を重んじる外交姿勢。
・実体は多民族である「中華民族」概念を用いた民族主義の鼓舞=「漢化」。
・米国との二大国体制は〝新冷戦″へ向かうのか? 台湾への野心の行きつく先は?
 これからの国際社会に起こり得る問題について、理論的・客観的に分析。
・今後の米中関係の中で、日本のとるべき態度、果たすべき役割を考える。


目次
序章 強大化する中国への五つの問い
第一章 民主と統治
第二章 政治文化から考える中国の権威主義
第三章 「国家」「民族」と「秩序」の見方
第四章 中体西用論とイニシアティビズム
第五章 国家戦略としての中国モデルの模索
第六章 伝統思想から見た中国の外交観
第七章 新たな「影響圏」建設の試み
終章 米中衝突はあるか


著者プロフィール
天児 慧(あまこ・さとし)
早稲田大名誉教授。1947年生まれ。
早稲田大学卒業、一橋大学大学院博士課程修了。社会学博士。
外務省専門調査員として北京日本大使館勤務、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授等を歴任。
専門は、中国政治、東アジア国際関係論。
著書『中華人民共和国史 新版』(岩波新書)、『中国政治の社会態制』(岩波書店)、『「中国共産党」論』(NHK出版新書)、『日中対立』(ちくま新書)ほか多数。


 

「序章」より
中国をめぐる話題には事欠くことがない。それもそのはずで、20世紀の末から今日に至るまで、経済の躍進、軍事力の強大化、ハイテク技術の飛躍的な発展など、世界を圧巻し震撼させる時代が持続している。そして今や、20世紀世界のナンバーワンをほしいままにしてきた米国から、主役の座を取って代わらんとするほどの勢いを見せ続けている。しかもそのパワーの源は、欧米の哲学、制度、科学技術などによるところも大きいが、中国独特の人間観、世界観、歴史観、政治・経済・文化などの見方、仕組みなどによるところも少なくない。人々は不安の入り混じった感情の中で、中国はどこへ行こうとしているのか?世界をどこに向かわせようとしているのか?といった、我々の生存・生活にまで関わってくるような根本的な問いに向き合うようになっている。