著者:松尾匡 「ひとびとの経済政策研究会」
ISBN:978-4-86228-107-4 C0033
定価1500円+税 264ページ
ジャンル[経済・政治]
発売日:2019年6月20日
紹介
緊急出版! 欧米で大注目、反緊縮政策のススメ
リベラル派は安倍政権の景気対策に敗けてきた
◇財政赤字や円の暴落は心配無用! 財政危機論は新自由主義のプロパガンダ。
◆金融緩和、法人税増税や富裕層への増税で財源を作る。
◇経済・雇用を最大の関心事とする若者たちが政治に求めるものとは。
なぜ安倍政権の支持率が高いか。雇用改善など経済データで見事に解明。
◆格差、最低賃金、増税、社会保障……気になる問題のひとつひとつに注目し、
緊縮ではなく「お金を使うリベラル政治」の像を有権者と野党議員らに提案する。
◇反緊縮政策は森永卓郎、池田香代子、山本太郎の各氏をはじめ、経済学者、識者、政治家に賛同が広がる。
【内容】
Ⅰ なぜリベラル派は負け続けているのか
若い世代の関心は「景気・雇用」/今出現しているのは古典的「窮乏」
リベラル派はなぜ勝てないのか/「お金を出しませんよ」に反対する世界の民衆
欧米の派手な反緊縮政策/消費税を上げずにすむ根拠は?
Ⅱ 反緊縮の経済政策マニフェスト
消費税を上げない/雇用創出・最低賃金の大幅引上げ
法人税の優遇措置をなくす・富裕層に増税/財政危機はまやかし
地方でも常に仕事が続くインフラ事業を/教育・保育の無償化、介護、医療の充実
目次
Ⅰ なぜ反緊縮政策なのか (松尾 匡)
(1)安倍政権に勝つための課題は経済政策
若い世代の関心は「景気・雇用」/当選を決めるのは経済公約/若者は右傾化しているのか
なぜ内閣支持率が高いのか/今出現しているのは古典的「窮乏」/経済状況は安倍政権前よりよくなった
リベラル派はなぜ勝てないのか/新自由主義の犠牲者は反緊縮なら両極どちらにも
「お金を出しませんよ」に反対する世界の民衆/日本の経済政策は中途半端
欧米の派手な反緊縮政策/反緊縮政策の良好な結果/経済で成功し、改憲を実現する野望
(2)質問に答えます
省庁から独立した成長戦略懐疑が必要では?/借金を増やし続けることは疑問だ
消費税を上げずにすむ根拠は?/法人税を増税してだいじょうぶ?
雇用の公的保障、ベーシックインカムなど可能でしょうか
一千兆円を超えた国債、だいじょうぶか?
このマニフェストを安倍内閣が採用する可能性は?/格差の問題は?
原発問題などは?/レフト3・0はどこがちが?
高齢化社会、年金や社会保障費はだいじょうぶ?
Ⅱ 反緊縮の経済政策マニフェスト(「ひとびとの経済政策研究会」)
(1)消費税を上げて不況が戻ってもいいのですか?
[1] 〈消費税の税率を5%に〉
(2)働きたい⼈が誰でもまっとうな職で働ける世の中に!
[2] 〈100万⼈分のまっとうな労働需要を追加創出〉
[3] 〈同⼀労働同⼀賃⾦を実現〉
[4] 〈最低賃⾦を1500円に〉
[5] 〈雇⽤・賃⾦の男⼥格差を是正〉
[6] 〈違法な不払い残業を根絶〉
[7] 〈望む⼈が働いて活躍できる保障を〉
[8] 〈外国の労働者を虐げて低賃⾦競争を強いる「労働ダンピング」は許しません!〉
(3)暮らしの苦しい庶民からこれ以上税金をとるな! 政治が作った莫大な儲けからとれ!
[9] 〈法⼈税の優遇措置をなくし、すべての所得に累進課税を〉
[10] 〈富裕層に対する資産課税を強化〉
[11] 〈⾦融機関の野放図な融資を抑制〉
[12] 〈社会保険料も累進制にして国保など庶⺠の保険料負担を軽減〉
[13] 〈環境税・トービン税を導⼊〉
[14] 〈「デフレ脱却設備投資・雇⽤補助⾦」創設〉
[15] 〈健全財政の新たな基準を〉
[16] 〈財務省による硬貨発⾏で政府債務を清算〉
[17] 〈⽇銀法を改正〉
(4)⼒ある者の意のままで⼈の明暗が分かれない公平な世の中を
[18] 〈すべてのひとびとのための公⾦⽀出〉
[19] 〈経済特区制度は廃⽌〉
[20] 〈ベーシックインカムを導⼊〉
[21] 〈「デフレ脱却⼿当」で⽉1万円配布〉
[22] 〈社会保障制度を組み替え〉
[23] 〈地⽅でも常に仕事が持続するインフラ事業〉
[24] 〈ひとびとの命や暮らしを守るのに必要な施設は建設を〉
(5)教育・保育の無償化、介護、医療の充実など
[25] 〈奨学⾦債務を軽減・解消〉
[26] 〈保育・教育を無償化〉
[27] 〈介護、保育、看護などの賃⾦⼤幅引き上げ〉
[28] 〈待機児童ゼロ、介護離職ゼロを実現します〉
著者プロフィール
松尾 匡(まつお・ただす)
立命館大学経済学部教授。専門は理論経済学。
1964年、石川県生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了。
論文「商人道! 」で第3回河上肇賞奨励賞を受賞。
著書『この経済政策が民主主義を救う』(大月書店)、『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』(PHP新書)、
『新しい左翼入門』(講談社現代新書)、『「反緊縮! 」宣言』(編著)『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』(以上共著、亜紀書房)ほか。
「ひとびとの経済政策研究会」
代表:松尾匡