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Seitosha Publishing

2019年2月のエントリー 一覧

副題:お酒で顔が赤くなる人、要注意!
著者:水野雄二
9784862281043.jpgISBN:978-4-86228-104-3 C0047
定価1200円+税 128ページ
ジャンル[健康・家庭医学]
発売日:2019年1月30日


紹介
西洋人にはほとんどいない、日本人に多くみられる、お酒で顔が赤くなる人。
その原因であるアルデヒドは、日本人の心筋梗塞やがんの多くの要因にもなっていた!
「アルデヒド病」を多発させる遺伝子レベルの要因とその予防法とは?
 

日本人の多くを占めるお酒で顔の赤くなる体質。
これはアルデヒドをうまく分解できない「ALDH2不活性型」の特徴であり、稲作文化の歴史に関係して発達したものだった。

心筋梗塞・狭心症などに大きく影響するアルデヒドの危険性は、飲酒やタバコの煙によってさらに高くなる。
循環器内科の分野で数々の賞を受けた専門医が「お酒で顔が赤くなる人」が長生きに有利な点・不利な点を易しく解説し、
健康に生きるために必要な食事・禁煙をアドバイスする。
わかりやすいデータや実例も掲載。


目次
第1章 お酒を飲むと顔が赤くなる日本人
第2章 危険なアルデヒドとその解毒酵素の話
第3章 アルデヒドは、冠れん縮と心筋梗塞を生む
第4章 アルデヒドが、がんを生む
第5章 アルデヒドと寿命
第6章 アルデヒド病の予防


著者プロフィール
水野 雄二(みずの・ゆうじ)
熊本大学病院を経て、現在、熊本機能病院 循環器内科/熊本加齢医学研究所勤務。
1963年、熊本県人吉市に生まれる。熊本大学医学部卒業(医学博士)。専攻:循環器内科。
2002年 日本心血管内分泌代謝学会 YIA (Young Investigator Award)受賞
2003年 日本心臓財団、ファイザー、血管代謝研究発表会優秀賞
2011, 2016年 AHA(アメリカ心臓病学会)Funded Award (Research)受賞
2018年 Circulation Journal Awards 2017 First Place受賞

 

はじめに
 お酒は我々の生活に欠かせないものとなっています。お酒は万能薬と言われることもありますが、注意点を知らないともちろん毒にもなります。
 実は、欧米人や黒人には少量のお酒で赤くなる人はいません。お酒で赤くなるのは日本人を含む東アジア人だけなのです。これは、我々日本人の文化である稲作文化と関係があります。
 お酒で赤くなる遺伝子は、人類の歴史上では、東アジア発の新型の優秀な遺伝子なのです。お酒で赤くなるかどうかは遺伝子で決まります。願っても変わりません。
 この遺伝子は多くのがん、狭心症、心筋梗塞、骨粗しょう症、前立腺障害、神経障害、そしてタバコの害の生じやすさ、また日本人の死因のトップ4(がん、心筋梗塞、肺炎、脳卒中)とも大きく関わりがあります。
 お酒で赤くなるかどうかで、病気の予防法や治療法、注意点も変わってきます。お酒で赤くなる人は、血の巡りが良いために赤くなるのではありません。また、赤くなる人がお酒を飲めるようになるために鍛えても、体を壊すのが落ちです。遺伝子タイプ別のお酒との付き合い方を、お話しします。
 この本では、患者さんの元気で長生きを目標としている臨床医学研究の立場から、健康長寿のためにはどのようなことに注意したらいいのか、酒とタバコはなぜからだに悪いのか、といった点について、がんや心臓血管病で注目され始めたアルデヒドの毒性を説明しながら、実生活での注意点を伝えます。
 もしもあなたがお酒で赤くなる人であれば、さらに有益な情報提供となるでしょう。そして、親戚一同が知って得する健康長寿の話になると思います。
 まずは、なぜお酒で赤くなるのか、その原因であるアルデヒドの毒性と対策をお話しします。親しみのわくお酒の話を交えて、健康長寿のために取り組んでいる臨床研究医師がお伝えします。日本人に多いアルデヒド病とその対策を知り、心筋梗塞とがん知らずで、健康長寿を全うしてください。