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Seitosha Publishing

2009年7月のエントリー 一覧

変わる日本語.jpg

著者:町田 健
ISBN:978-4-86228-033-6 C0081
定価1,600円+税 228ページ
ジャンル[日本語]
発売日:2009年7月10日


紹介
<問題な日本語>は ほんとうに問題なのか。
日本語が変わるその背景を明かす。

「お飲み物はよろしかったでしょうか」や「コーヒーの方お持ちしました」「私ってネコ嫌いじゃないですか」など批判のある最近の若者言葉はほんとうに問題なのか。
また、「東京を3時発の『のぞみ』です」や「式を始めたいと思います」などのちょっと気になる日本語。文法的、語法的に本来は正しくない表現が一般化するのはなぜか。
変わる日本語の背景・理由を、日本人一般の感性の変化や日本語の性質から鋭く読みとく。

「お飲み物はよろしかったでしょうか」より
ここで考えなければならないのは、日本語の「た」は過去を表すばかりではないということです。・・・未来の出来事と仮定された出来事の共通点は、どちらも現実に起こった事柄ではないということです。「た」にこのような働きがあるのだとすると、お客の意向を尋ねるために店員が使う言い方として「お飲み物はよろしかったでしょうか」が使われるようになった理由は理解できます。・・・「よろしいでしょうか」よりも押しつけがましい意味合いが出ない分、丁寧さが増すのだと考えることができます。


目次
1 この若者言葉は〝問題な〟のか
 (お飲み物はよろしかったでしょうか、千円からお預かりします、この味好きかもしれない ほか)
2 ちょっと気になる日本語
 (私が言いたいのは、健康が大切です レストランを貸し切ってパーティーをする 極めつけはセレブのお店 ほか)
3 なにげなく使われている日本語点検
 (司会を務めさせていただきます、こちらが控え室になります、不審な荷物はお知らせください ほか)


著者プロフィール
町田 健(まちだ・けん)
1957年福岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。
現在、名古屋大学教授。専門は言語学。
著書『言語学が好きになる本』『生成文法がわかる本』『日本語のしくみがわかる本』(以上、研究社)
『チョムスキー入門』『ソシュール入門』(以上、光文社新書)『言語世界地図』(新潮新書)ほか。
フジテレビのクイズ番組「タモリのジャポニカロゴス」に解説者としてレギュラー出演

ユーラシア.jpg

著者:小野寺誠
ISBN:978-4-86228-032-9 C0026
定価1,800円+税 320ページ
ジャンル[旅行記・エッセイ]
発売日:2009年7月8日


紹介
さすらいのバックパッカー68歳の自由と虚無、そして再会と別れ。精彩あるタッチで描いた旅情が読む人のこころに響く。
極北ラップランドにおける厳冬のトナカイ狩りや北欧ジプシーとの暮らし、それらの体験記で名をはせたバックパッカー、22年ぶりの書き下ろし。
陸路中国から中央アジア、コーカサス、トルコ、中欧を経てフィンランドへ。帰路、モスクワに立ち寄り、シベリア鉄道を使っての帰還。列車とバス、船を乗りついだバックパッカー68歳、さすらいの記。

(本文より)イコン画がたくさんある。これらの絵には、画家の署名がない。描くことが、祈りだ。わたしの旅も、何かへの祈りかもしれないとふと思う。旅が困難であればあるほど、この身が浄められるような気分になることがある。自分の生きてきた足跡があまりにろくでもないので、肉体的な辛さを罪ほろぼしのように感じるのかもしれない。身勝手な自由と解放の感覚、それも悪くない。しかし神をもたないわたしの場合、祈りの旅の先に見えてくるのは死しかない。そしてだれとも分からない無記名の墓標の男の死も、けっして悪いものじゃない。


目次
1 日本、韓国、中国
2 中央アジア
3 イラン、コーカサス諸国
4 トルコ、中欧
5 フィンランド
6 ロシア、シベリア鉄道


著者プロフィール
小野寺誠(おのでら・まこと)

1939年3月東京・杉並生まれ。1967~76年 北極圏ラップランドを放浪し、ラップ族と行動をともにする。
1975年 ラップランドをテーマに第1回トリエンナーレ国際写真展第1位受賞(スイス)。1977~80年 ジプシー民族社会で暮らす。
1981~85年 フィンランド民族音楽のペリマンニ楽師として活動。 
著書に『ポエムS65』(詩集)、『求む天国』(浪曼)、『極北の青い闇から』(冒険ものブックガイドとして本多勝一氏推奨)、『ジプシー生活誌』(国際ジプシー学会で木内信敬教授により公表)(以上、NHK出版)、
『イサ・パッパと2匹の小悪魔』(NHK「私の本棚」12回連続放送、文化出版局)、『白夜の国のヴァイオリン弾き』(新潮社、講談社文庫)、『あの夏、フィンランドで』(NHK出版)『辺境へ、世界の果てへ』(青弓社)。