著者:石川 九楊
ISBN978-4-86228-000-8 C1021
定価 2,200円+税 357ページ
ジャンル[日本語]
発売日 2005年8月15日
説明
<日本の精神のかたちを読む>
日本語は、大陸の政治の言語=漢語と、日本独特の性愛や自然を表す和語からなる二重言語。
漢語の流入とそれに対応する和語の成立、両者の並存、融合、分離の歴史ドラマは「書」に表現されている。
書がどのように書かれてきたのか、その表現技術と筆致の心理から、漢字への反発、ひらがな文化の誕生、そして再び漢語的表現への回帰等、時代精神の変遷を解明していく。
書字論の鬼才が、無文字の段階から近代に至るまで、「二重言語」の視点で読み解く斬新な日本文化論。
目次
1. 言葉と文字~日本史の見方・考え方
2. 無文字縄文時代~表現の混沌性
3. 秦の始皇帝がつくった弥生時代
4. 擬似中国時代~白村江の敗戦と日本の独立
5. 文化的中国化と万葉仮名の成立
6. 古今和歌集と女手 日本語の成立
7. 女手・日本古典時代の完成~日本文化の成立
8. 分かち書きの誕生と藤原俊成・定家
9. 文官と武官と神祇官~世界史の誕生は何をもたらしたか
10.西洋文明の影響と寛永の三筆と流儀書道~万世一系の書道
11.儒学と国学 唐様と和様
12.漢語・和語・西欧語と近代
著者プロフィール
石川九楊(いしかわ・きゅうよう)
京都精華大学教授。
「一日一書」(二玄社)、「日本語の手ざわり」(新潮選書)「二重言語国家・日本」(NHKブックス)、
「日本書史」(名古屋大学出版局・毎日出版文化)、「書の終焉」(同朋舎出版・サントリー学芸賞)など著書多数。
NHK人間講座講師(03年12月~04年1月)